
閑散期だった冬の夜を変えた遊園地の代表的イベントができるまで


OUTLINE
プロジェクト概要
冬は遊園地にとって閑散期で入園者が少ない季節。当時は日没時間が早いことから16時には閉園していました。寒くて日没時間が早いというデメリットをメリットに変えるべく、デザイナーの石井幹子氏にイルミネーションをデザインしていただき、新しい顧客層を取り込むことで、入園者増と売上増を狙って立ち上げたプロジェクトです。

MEMBER
メンバー
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1990年入社
遊園地事業部T.M
-
1998年入社
統括部企画・宣伝課W.K

ジュエルミネーション対談
ほぼ手づくりではじまった初年度
いまでは650万球の規模
- T.M
- きっかけは2009年。遊園地に冬のイルミネーション需要があるのかを確かめるため“夜ランド”としてテスト的に行ったのが最初でした。それまでの冬は月平均2万人前後の来場者でしたが、電球10万級規模でテストを行ったところ、来場者が倍になりました。そこで翌年は規模を拡大して行うことが決定。照明デザイナーの石井幹子先生による“ジュエルミネーション”がスタートしたのです。初年度は11月から2月の47日間の営業でしたが、今では10月から4月の約140日間営業していて、夜の入園者数も当時の何倍にもなっています。
- W.K
- スタート当時私は宣伝担当で、手が空いた時間に取り付け作業を手伝っていましたが、数年後、ジュエルミネーション全般の取り仕切りを引き継ぐことになります。初年度は電球100万球規模だったのが今年2024年は650万球にまで広がり、いまでは遊園地の柱となるイベントになっています。
- T.M
- そうそう、初年度の取り付け作業はそのほとんどを遊園地スタッフで行ったんです。W.Kさんに本格的に入ってもらったときは、電気に関する資格や高所作業車の技能講習を受けてもらいましたよね。
- W.K
- そんなこともありましたね。自分たちで作業を行うと愛着もわくし、異常があったらすぐに対応しようとします。イルミネーションの美しさは、1つ電球が切れていたり、場所が少しずれるだけで大きく損なわれるんです。気づいたらすぐ直せるようにするためには取り付けの技術が必要。なので、いまでも一部のイルミネーションはスタッフが取り付けをしています。

世界的デザイナーの図面を
遊園地スタッフでなんとか
形にする難しさ
- T.M
- ジュエルミネーションは毎年の春頃、照明デザイナーである石井幹子先生のデザイン画が届くところから始まります。そのとき大切にしているのは、そのデザインを忠実に再現すること。もちろん園全体の計画図面も届くのですが、デザイン画を実際に形にするのは私たちスタッフと外注の施工会社さんです。
- W.K
- どうやったらこの美しいデザイン画を再現できるのか、そこはいつも悩みます。“限られた予算” “決められた工期内で仕上げる”という制約がありますしね。いつもなんとか完成にこぎつけているという感覚です。
- T.M
- 毎回完成できているのは、みんな自分たちの遊園地をよくしようと、遊園地スタッフが自分のできる作業を見つけ、協力してくれているからですよね。あと、毎年自分たちで手がけているから、スキルやノウハウがどんどん蓄積されていく。
- W.K
- そうですね。たとえば電球自体はひとつひとつの点ですが、それをダイナミックな“面”で見せようとしたときに、正確かつ規則的に並べ過ぎてしまうと、逆に不自然で美しく見えないんです。こういったことは、実際に自分たちで手を動かさないと気づかないですよね。

すべてはお客様に楽しんでもらいたい
そのために手間は惜しまない
- W.K
- よみうりランドのジュエルミネーションのすごいところは多分、点灯していない電球が圧倒的に少ないことだと思うんですよね。これが他のイルミネーションよりも綺麗に見える理由。期間中は毎日、明るい時間に一度点灯させてチェックをしているんです。電球が1個切れると“面”で見えなくなるので、欠かせません。
- T.M
- これはジュエルミネーションに限らず、常日頃から遊園地のスタッフがお客様を楽しませたい、喜んでもらいたい、よみうりランドをよりよくしたいと思っているからこそしている、見えないおもてなしの気持ちですよね。
- W.K
- よみうりランドには、自分たちでできることは自分たちでやってみようという気風がある。これからもできるところは自分たちで手がけられるようにしておきたい。
- T.M
- そう。人に任せず自分たちでつくりあげてきた経験は、おもてなしの気持ちを自らの手で表現するという点で、すごく意味があったと思いますよ。

人を楽しませるために必要なこと
それは、自分が楽しむこと
- W.K
- 今年、ジュエルミネーションを手がけたいという理由で入社して来た新入社員がいました。最初はこぢんまりとした手仕事だったイベントが、私もつくりたいと言ってくれるほどの人気イベントに育ったことはとても感慨深いです。
- T.M
- ジュエルミネーションをやりたい。興味があると思った人はどんどん手を挙げてほしいですね。
- W.K
- あと、自分でこうしたいということを自分で思いつける人がこの遊園地には多いです。私たちも普段から、一緒に働く社員が色々な経験をして楽しんで仕事をできるように意識しています。ジュエルミネーションがこの遊園地を支える重要な仕事であるということをきちんと伝えて、仕事をやらされているという気持ちにならないように。
- T.M
- そう、何のためにこの仕事をするのかを説明する。それは、お客様を楽しませるため。喜ばせるため。そしてそのために必要なのは、私たち自身が楽しんで働くことなんです。そうしないと人を楽しませるなんてできません。まずは自分が楽しむこと。仕事が楽しいか楽しくないかは自分次第だと思いますよ。

PROJECT EPISODE
プロジェクトエピソード
噴水ショーは創意工夫の集大成
これまでの期待を、今年も超えていく
ジュエルミネーションの目玉のひとつである“噴水ショー”。噴水をどういう機材でどのように配置する、どのような演出をするといったことは、遊園地スタッフで考えています。音やイルミネーションを光らせるタイミング。そのコンマ何秒かの違いでショーの印象はまったく変わります。たとえばわざと音や光のない時間を一瞬だけつくる。演出でどれだけ「おおっ」と思わせるかが勝負どころです。すべては関わるスタッフの独学と経験の積み重ね。一度噴水ショーを見に来てみてください。楽しんでつくっている雰囲気を感じられると思いますよ。

SIDE STORY
サイドストーリー
仕事のおかげで、
新しい趣味との運命的な出会いが?!
文系で機械いじりに特段の興味はなかったW.Kですが、ジュエルミネーションの取り付け作業をきっかけに、バイクいじりなどの機械工作の才能が目覚めてしまったとか!?
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みなさんとお会いできることを楽しみにしています。
