いつでも「親しみのある品格」を。
最高のゴルフ場を形づくる、「遊び」への想いとホスピタリティ。

January 09, 2025

東京よみうりカントリークラブは、長い歴史と確かな実績を持つ日本有数のゴルフ場だ。ゴルフコース設計の名匠とうたわれる、かの井上誠一氏が手掛けた有名コースでは、毎年「ゴルフ日本シリーズJTカップ」が開催され、日本中のゴルファーの憧れの的となっている。そんなゴルフ場の今日を支えるマネージャーが、そこにある真摯な想いを語った

これ以上ない環境を届け続ける。
名門コースを支える、妥協なき管理と遊びへのこだわり

東京よみうりカントリークラブは、1964年、ゴルフコース設計の名匠「井上誠一」によって生まれた会員制のゴルフ場だ。井上氏特有の戦略性の高いコースは、ゴルフの聖地とも呼ばれている。
「会員制のため誰でも入れるわけではないのですが、やはりあの井上誠一先生が設計したコースでプレーできるというのが、クラブメンバー(クラブ会員のこと)のみなさんの誇りと愛着になっていますね。近年も一部、ホールの改修があったのですが、井上先生の理念を壊さないように、というメンバーのみなさんからの熱い要望もあり、井上先生から直接薫陶を受けたお弟子さんに依頼しました」と語るのはマネージャーのAさん。
そんなAさんが、クラブメンバーのもう一つの誇りと語るのが、長年にわたって東京よみうりカントリークラブで開催されている国内男子ツアーの最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」。数々の名勝負の舞台となってきたコースで特に名高いのが、最終ホールとなる18番ショートホールだ。グリーンの傾斜が強く、「魔の18番」と言われる難関であり、プロですら翻弄されるこの名物ホールでは数多くのドラマが生まれてきた。プロが苦戦するほどの、「あの」環境でプレーできるという特別な体験。それは東京よみうりカントリークラブでしか味わえない醍醐味の一つであり、クラブメンバーにとっての喜びになっている。

取材が行われたのはちょうど、そのゴルフ日本シリーズJTカップの開催を一週間後に控えた日のことだった。大会に向けて着々と準備が進んでいく様子を眺めながら、開催のためにどんなことをしているかとAさんに尋ねると、返ってきたのは「コース管理でしょうかね。いつも通りの」と意外な回答。日本一を決める大会だというのに、いつも通りとはどういうことか。真意を聞いてみると、「もちろん0.1ミリの芝の差にこだわるし、冬場でもあの芝の緑を絶やさないように徹底管理しています」と自信をのぞかせたが、続けて「けれどJTカップだからやっているわけじゃなく、それが東京よみうりカントリークラブとしての基準なんです。だから、コース管理としては本当に『いつも通り』のことをやっています」と笑う。

Aさんいわく、「いつでもこの品質は絶対守る」という基準とプライドが、グリーンキーパーたちの中に脈々と受け継がれているのだという。「僕も彼らと話していると、もはやDNAに刻まれているのかな?(笑)と驚くぐらい、若い人たちにも浸透しているんですよね」とAさんは感心するように話す。JTカップが開催されているからこの品質が維持されているのではなく、常にこの品質を保てるからこそ、JTカップがこの地で開催されているということなのだろう。しかし、なぜ日本一のトーナメントを開催できるほどのクオリティを一年中保ち続けられるのか。
「それはもちろん、クラブメンバーのみなさんに、ゴルフという遊びを、一番いい状態で楽しんでもらうためです。最高の遊びをお届けしたいですからね」 名門コースを支える徹底した管理は、「遊び」にこだわる純粋な想いから生まれているのだ

「聖地」にあったのは、
よみうりランドらしさが光る「親しみのある品格」。

「ゴルフの聖地」とも紹介される東京よみうりカントリークラブだが、Aさんは「スタッフは誰も言わないし、そんな感覚はないんですよね(笑)」という。それは謙遜ではない。「ここでプレーするのは憧れでした、という光栄なお言葉をいただくことはありますし、コース管理でも、おもてなしでも、その期待に応えられるだけの自負はあります。けど、うちは『聖地』と言われるような、格式ばったゴルフ場じゃないんですね。僕らが大事にしているのは『親しみのある品格』なので」。

品格へのこだわりは、コース管理の徹底ぶりからも見て取れる。しかし、「品格」という言葉とは相反するようにも思える「親しみのある」とは、一体どういうことなのか。「例えばドレスコードやマナーも、ともするとルールを守ること自体が目的になってしまいがち。けど僕らはそれを、あくまでクラブライフを充実させるために存在するものだと考えていて、『楽しく過ごしていただくこと』を何より大事にしています。そういうところが『親しみのある品格』に繋がっていますね」とAさん。そんな心地よい空間の中で一日を楽しく過ごすことで、日ごろのストレスを癒やし、仲間との親交を深めてもらえたら嬉しいと微笑む。

楽しんでもらうための工夫を尋ねると「まずは挨拶でしょうか」。笑顔で挨拶をすると自然と笑顔が返ってくる。すると、今日一日が気分よく始まる。大切なのはこの気持ちを、朝バッグを受け取る担当者から、フロント、マスター室、キャディー、レストランまで、クラブメンバーが出会うすべての従業員が持っていること。そうすると「今日も楽しかったなあ」と気持ち良く帰宅していただけるのだという。そして、キャディー訓練でも伝えているのは、まずは「プレーヤーのみなさんに楽しんでほしい」というまっすぐな姿勢で向き合うこと。もちろんマナーも教えるが、その気持ちがちゃんと相手に伝わることの方が、もっと大事なんです、とAさんはうなずく。
そしてこの「楽しんでもらいたい」という気持ちは、クラブメンバーとは直接関わらない清掃やコース管理の従業員にも共有されている。「清掃だって、普段目につきにくいところまでやります。たとえば、お風呂の蛇口の裏とか。グリーンキーパーがコース管理を徹底するのも同じです。全てはプレーヤーのみなさんに楽しんでほしいからなんです」。
「何よりもそれが大事」と清々しく言い切るAさんの表情には、「遊びを、まん中に。」をスローガンに掲げるよみうりランドらしい姿勢が映し出されていた。

厳しいコース管理も、心の距離が近づくホスピタリティも、「楽しんでもらいたい」の一心から生まれるもの。東京よみうりカントリークラブに憧れの声が集まるのは、長い歴史や実績だけではなく、この「親しみある品格」があるからこそかもしれない。

伝統にとらわれず、進化し続ける遊びを、この先もずっと

東京よみうりカントリークラブは2024年に開場60周年を迎えた。その感慨はという質問に「60周年だから特別なにかということはありませんね」と軽やかに笑うAさん。50周年を迎えた時に、100周年はこうありたい、という目標を立てたのだという。60周年はいわば、そこまでの通過点であり、道の途中とのこと。その道筋を聞いてみると、「柔軟にいろんなことに取り組んで変化していくことかな」と教えてくれる。「僕らのいいところは、伝統を守りながらも固執しないところ。好奇心旺盛な遊びのプロとして、変化に前向きでいたい。だから『遊びを、まん中に。』の気持ちで、社会やメンバーのみなさんのニーズに合わせて色んな事に取り組んで進化していきたいですね」。

東京よみうりカントリークラブにおける「遊びを、まん中に。」とは何なのか。Aさんは「ここ自体がまさしく『遊びを、まん中に。』の場所。ここではみんな、立場も名誉も関係なく、純粋に遊びを楽しむクラブメンバーとして等しく向き合います。これからも遊びをまん中に、みなさんが思う存分楽しめる時間をご提供し続けられたら嬉しいですよね。」と語った。

外側からは格式ある会員制のゴルフ場というイメージを持たれるが、その内側にはやはりよみうりランドらしい、純粋な遊びへの情熱を宿している東京よみうりカントリークラブ。お客様に全力で遊びを届けたいというその想いは、「親しみのある品格」として、これからも受け継がれ続けるのだろう。

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